ママの手作り…絵本袋の話 その1

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手づくり品で、愛情をはかるなんてナンセンス…
と、ネット上では、反対派が大きな声で言いますが

実際に、幼稚園であった「絵本袋」にまつわる話を思い出しました!!


私が勤めていた幼稚園では、袋物はもちろんお母さんの手作り。
中でも一番 脚光を浴びるのが、
絵本を入れるバッグです。
子どもそれぞれに かわいい刺繍やアップリケが施されていました。

入園当初、初めての先生や子ども同志
この絵本袋の柄を話題に会話が始まるといった光景が多々ありました。

嬉しそうに抱きかかえた絵本バッグを
「これ、ママが作ったの!」
と、得意気に見せに来る子もいれば、
押し黙った子が、ギュッとにぎった絵本バッグを
アッピールしてくることも!

お帰りの時間… 待ち時間…
多くの子どもたちは、無言で… または ひとり言いいながら…
絵本バックの柄と対話していました。

絵本袋と対話…
そう、
そこに「お母さんの手作り」で、
込められた何かがあるから出来るのだと感じます。 



事例その1

いつも、ちょっと怒った感じで
子どもに対して 不機嫌なお母様がいらっしゃいました。 
やんちゃな男の子に手を焼いていたのでしょう。
赤ちゃんを抱えて お兄ちゃんであるKくん ばかりを厳しく叱っていました。

Kくん、園では元気よく遊んでいるのですが、
お母さんに対しては、いつも顔色を伺いながら
オドオド…
しかし、元気が有り余っているので
すぐにその思いと反対の行動をして〜
また怒られる…

お母さんが大好きなのに、いつも叱られることばかりしてしまう
なんだか、もどかしい親子でした。

Kくんは、お帰りの時いつも
絵本バッグをとっても大事に抱えていました。
ふわふわうさぎのアップリケのついた とてもかわいいものでした。
そして、
「これ、お母さんが作ったの ぼくのお母さんが作ったの」
そう言って、何回も私に見せに来るのでした。
(バリバリやんちゃな男の子なのに 珍しいなぁ…)

ふわふわうさぎのアップリケをなでてお母さんのお迎えをじっと待ち…
お母さん登場で、勢い良く走ってお母さんに駆け寄る!
いきなり体当たりされる 赤ちゃんを抱えたお母さんは
危ないじゃない!なにやってんの!
と、Kくんを小突く
てへへ… と、苦笑いしながら 
絵本バッグをギュッと抱えて、怒られながら小突かれながら降園していく…
これ、いつものKくん親子の様子 でした。

個人面談の際に、お母様に話しました。
お母さんの作ってくれた絵本バッグをとっても嬉しそうに
いつもいつも見せに来てくれるんですよ

「これ、お母さんが作ってくれたんだ
ぼくのお母さんが作ったんだよ
一生懸命作ってくれたんだ
お母さん じょうずなの」

そう話すと、こわばってキツい顔をされていたお母さん…
ふっと 顔がゆるんで
「私、こういうの作るの案外好きなんです…」
優しい笑顔が、、、! 

そして、家庭のご様子を伺うと
小さな赤ちゃんの世話で毎日大変で、
やんちゃなお兄ちゃんについ当たってしまう…
といった話もして下さって。。。

よかった。 
ちゃんと愛情もっているのに
いっぱいいっぱいだったんだね、お母さん…

無邪気でやんちゃで元気一杯のKくん
妹思いで、お母さんのこと大好きで…
ふとした時にこぼれ出たKくんの言葉、いっぱい伝えてあげました。


この場合、

お母さんが愛情込めて作った「手作り絵本袋」
既製品では成り立たなかったであろう大きな役目を果たしてくれていました。

お母さんに抱きつきたい思いを
絵本袋で叶えていたのかもしれません。
絵本バックがあってよかったな

だから… 
愛情が込められるって うそ じゃない と感じます。
子どもは、しっかり受け止めているのです。




by erich50 | 2016-03-09 17:10 | 思うんだけど… | Comments(0)